管理栄養士のmafiです。
今回は、喫茶店営業許可を取得するために必要な、お店の厨房、設備について必要な【基準】について書いておきます。
個人だからといってどんな厨房でも、カフェにすることができるわけではなく、「カフェ」というお店なりの基準を満たさないと、営業許可はおりません。
- これからカフェを開きたいが厨房のデザインに悩んでいる
- 厨房をリフォームしようとしている
そんな方々の参考になればと思います。
【喫茶店営業許可】では「食事」は提供できない
実は、喫茶店営業許可を申請する前に、確認しておいてもらいたいことがあります。
それは「本当に喫茶店営業許可の申請でいいのか」という点です。
申請する許可で、できる範囲の内容の確認をしておきましょう。
例えば、喫茶店営業許可できることは、
- 飲み物だけを提供する(お酒は提供不可)
- 軽食(簡単な調理。トーストは可能)を提供することはできるが、オムライスやパスタなどの食事を提供することは不可
な内容になってきます。
もし自由にメニューを作り、様々な食事を提供したいのであれば、喫茶店営業許可ではなく、【飲食店営業許可】の方が良いかもしれませんよね。
[chat face=”sakana1.jpg” name=”mafi” align=”right” border=”gray” bg=”none”] 飲食店営業許可と喫茶店営業許可は、保健所に提出する書類は同じです。ただ申請手数料が違うだけです。 [/chat]
喫茶店営業許可の基準
ではここからは、飲食店営業許可と喫茶店営業許可を申請するために、お店の内装についての基準をまとめてみます。
項目 | 備考 | 飲食店営業許可 | 飲食店営業許可 |
---|---|---|---|
場所 | 清潔な場所 | ||
建物 | 鉄骨、鉄筋コンクリート、木造づくりなど、十分な耐久性を有する構造 | ||
区画 | 壁、板などで区画されているか | ||
面積 | 必要に応じた広さ(1.6×従事者平方メートル以上) | ||
床 | タイル、コンクリートなどの耐水性材料で排水がよく、清掃しやすい構造。床の勾配は1/50~1/100が適当。床と壁が交わる隅は、丸みをつける | ||
内壁 | 床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい構造 | ||
天井 | 掃除しやすい構造。配管ダクト、照明器具が露出しないこと。 | ||
明るさ | 50ルクス以上 | ||
換気 | 調理した煙、蒸気等の排除設備。フードをつける場合は、天井と隙間が無いように直接つけ、外側は垂直にする | ||
周囲の構造 | 周囲の地面は耐水性素材で舗装し、排水がよく、掃除しやすい | ||
ネズミ、昆虫の防除 | 網戸や自動ドア、排水溝カバーなどの設置 | ||
シンク | 1槽の大きさの目安、内径:45cm(幅)×36cm(奥行)×18cm(深さ)以上。2層式であること | ||
給湯設備 | 洗浄および消毒のため給湯設備を設けること | ||
洗浄設備 | 従事者と従業員の手洗い。手洗い器目安、外径:36cm(幅)×28cm(奥行)以上。蛇口は足踏み式、ハンドコックが望ましい。手指の消毒液必須。 | ||
更衣室 | 清潔な更衣室を設ける | ||
客室 | 客室、客席には換気設備を設けること。明るさは10ルクス以上 | ||
客用便所 | 客用の便所があること。専用の世洗い設備があること |
喫茶店営業許可には、不要となる2つの項目があるのがわかります。
- お湯が出る設備
- シンクの条件
の2項目が不要。
そのため、
[chat face=”sakana1.jpg” name=”mafi” align=”right” border=”gray” bg=”none”] 給湯器も付けるお金が無いし、シンクも作り変えることができないので【喫茶店営業許可】にします [/chat]
とお店の状態で、許可を選ぶ人も多いです。
また詳細な解説を加えておくので、ご自身のお店の図面を見ながらみてください。
区画
- 家庭用の台所と一緒に使うことはできない
- 厨房は、住居と客席、その他と区分けしておくことが必要
[chat face=”sakana1.jpg” name=”mafi” align=”right” border=”gray” bg=”none”] 区切りや段差で分かれていない場合、行政から質問をされることがあります。「ここからは厨房、ここからは客席です」などと、区切りを言えるようにしておこう [/chat]
洗浄設備
【飲食店営業許可】を取得する場合は、
- 2層以上の洗浄設備(シンク、流し)を設置
が必要です。
2層以上のシンクとは、このような形です。
大概のお家や物件にはないはずですので、注意が必要です。
[chat face=”sakana1.jpg” name=”mafi” align=”right” border=”gray” bg=”none”] ただ1個ずつのシンクが2カ所あれば、2層以上になりますよね。 [/chat]
保管設備
- 食器類及び調理器具を、清潔な状態で保管できるよう、扉付きの食器棚を設置
[chat face=”sakana1.jpg” name=”mafi” align=”right” border=”gray” bg=”none”] 扉がつけられない場合、「のれん」で仕切ることも [/chat]
冷蔵庫・冷凍庫
- 必要なサイズが求められる
- 温度が管理できる状態であること
冷蔵庫には、温度計が必要です。
[chat face=”sakana1.jpg” name=”mafi” align=”right” border=”gray” bg=”none”] 冷蔵庫の外から見える温度計が望ましいです [/chat]
従業員用のトイレ
- 厨房内にある
- 手洗い場が別にあること
- トイレ後に手を消毒できるよう、消毒液を置くこと
- お客用のトイレと分けることが望ましいが、やむおえない場合は一緒に使うことも可能
[chat face=”sakana1.jpg” name=”mafi” align=”right” border=”gray” bg=”none”] トイレを1つしか作れない理由説明が必要なこともあります [/chat]
明るさ
- お店の明るさは、50ルクス以上であること
[chat face=”sakana1.jpg” name=”mafi” align=”right” border=”gray” bg=”none”] 明るいカフェにしたいですよね。 [/chat]
調理器具
- まな板、包丁は、それぞれ肉・魚・野菜用で分けること
- 数を数えて保管すること
以上、基準をまとめてみました。
詳しくは保健所の職員と相談しつつ、
- 最低ラインはどこか
- どこまで改善できるか
を話し合いながら、お店作りをしていくことになります。
喫茶店営業許可の基準に悩む人向け【参考書】
喫茶店営業許可の基準については、参考書にもまとめられているので、この本辺りを読めばだいたいOKです。
どの本も掲載されている情報は大差ないので、レビューなどを見て、自分の悩みに合いそうな本を選んでみてください。
▼喫茶店開業・カフェ開業に参考になるオススメの本まとめ記事はコチラ
まとめ
公共的な調理経験のない人にとっては、調理器具を食材によって分けることや、2層以上のシンクは驚きかもしれません。
でも多くの飲食店では、普通に対応されていることでもあります。
食品の衛生を守るためにも、是非参考にしてもらえたらと思います。
▼こんな記事もオススメです