僕は栄養士の一人職場だ。
栄養士に多い悩みを検索してみたところ、
- 一人職場
- 業務多忙
が圧倒的に多い。
でも僕は今の一人職場で「自分が一人だから」困ったことは一度もない。
一人職場はいいことがいっぱいだよ。
普通の人が持つ目線に寄れる
僕も管理栄養士10人の職場を長く経験したことがあるので、これだけは確実に言える。
“栄養士だけの職場は、視点が栄養士向けに偏る”
絶対に偏る。
思い出してみて。
評価してくれるのは栄養士や、栄養士に近い立場の人じゃない?
その人たちが「わかりやすい」って言ってくれたとして、それは「どこが、どうわかりやすい」のか聞いたことがあるだろうか。
“多少知識がある人にとって、理解しやすい“だけだよね。
全く知識がない人にとってどうか、の視点がないんだよ。
だけど僕みたいな一人職場だと、僕が作ったものを見てくれるのは、事務屋の栄養に関して全く知識がない人や他の専門職の人たち。
だから、作るものの形が専門的な知識のない人にとても利用してもらいやすくなるよ。
わかってもらう、だけではダメなんだ。
使ってもらって、活用してもらってこそ意味がある。
相談できる人がたくさんいる
僕の相談者は、
・上司
・同僚(同じ専門職以外の)
・業者
・そのあたりの出会った人
・Google先生
とにかくたくさんいる。
一人職場は相談する相手がいないと言われるけれど、僕は毎日誰かに聞いて、様々なアイデアをもらうことができている。
専門的な部分の相談にはコツがいる
おそらく栄養士などの専門職が困っている相談は、専門的な部分の相談だと思う。
専門的な部分を相談するには、実はコツがいる。
それは、課題を小分けにすること。
例えば、『魚をどう発注したらいいかわからない』という悩み。
小分けにすると、
・キレ数なのか、匹なのか、グラムなのか
・この人数でどれくらいの量が必要かわからない
・どのタイミングで厨房にあればいいかわからない
随分悩みがわかりやすくなった。
この悩みを後は誰が解決できるか考える。
・キレなのか、匹なのか、グラムなのか→魚屋さんに聞いてみる
・この人数でどれくらいの量が必要かわからない→一人当たりの量は?他の食材や試作で、実際に食べる人達と見極める
・どのタイミングで厨房にあればいいかわからない→厨房の人に聞いてみる
とにかく悩んでいることを具体的に説明できないといけない。
具体的に説明するには、自分が動く動線をイメージするのがポイント。
発注する→紙や電話で伝える⇒伝える内容は何?
という感じ。
僕が一番
一人職場は僕以外の栄養士という専門職がいないから、僕が栄養士として言うことが全てになります。
えっへん。
それだけ責任が重いから不安だという一人職場の栄養士人もいるけれど、専門職である以上僕は当然だと思う。
学校給食を作っていた管理栄養士で、自分が立てた献立で食中毒が起き辞職した栄養士を僕は知っている。
食中毒って怖くって、例え生き残っても脳炎で生涯植物状態になっている人もいるのだから。
それだけ命を背負った仕事をしているというのは、いつもいつも僕は意識している。
でもこの意識さえあれば、僕は僕の正義を守るために他の栄養士に邪魔されることなく好きなことを言える。
「糖尿病なの?甘い物控えましょう」なんて相手の生活を全く考えずに適当な話をする栄養士の話を聞かなくていいのだ。
できることが増える
僕は一人職場になって、専門以外の分野でできることが増えた。
例えば事務的な予算の立て方、会議への参加の仕方、新しい事業を一から構築する組織の動き方、栄養関係以外の専門的な相談の助言などなど、様々なことができるようになった。
一人職場だと自分のイベントを手伝ってもらうことや、周りの仕事を手伝うことが増える。
他の人の会議に参加するのであれば、その資料を見て自分で読み解かなければならない。
この数字はどこから出ていて、どういう意味があるのかとか。
専門分野はもちろんだけれども、専門分野以外の資料も読めるようになったし、僕は一人職場のおかげでだいぶ成長した。
“人によってはすべき仕事が増える”と業務多忙を嫌う人もいるけれど、僕の場合知っていないと仕事ができないからね。
そして、できない仕事は「僕はできない、役割が違う。でもこの部分はできるよ」という形で、自分の役割は明確にさせてもらっている。
物は考えようだ。
僕は単なる残業も、サービス残業もしないスタンス
よく栄養士はサービス残業をしているイメージがあるかもしれないが、僕は単なる残業もサービス残業もしない。
残業をしないためには、自分がどの仕事にどれくらいの時間をかけてしているか、自分の能力を把握しておく必要がある。
だから朝職場に着く前に、「今日はあれをしよう」「あの相談をあの人にしてみよう」と予定を立てておく。
相談とか、依頼とか相手次第で動かざる負えない仕事は、日程を3候補くらい分けておくと心づもりができて良いよ。
そのためにも、締め切りは早めに早めに考えて仕事をしている。
それでも栄養士と話をしたい時がある
いくら一人職場といっても、たまには他の職場や業界の動向だって知りたくなるよね。
そんな時は栄養士会で仲良くしている栄養士たちに会って話をする。
わざわざ会う機会を作らなくとも、研修会に行けば必ず会う人たちだ。
そういう意識が高い人たちとたまに会うと(毎日会っていたら、お互いぶつかり合って大変そう)、いろいろな情報が得られるのでオススメ。
まとめ:一人職場は受け身の人には向かない
一人職場は、自分の悩みを人に言うことができる人でないと向かないと思う。
貯め込んで、考え込む受け身のタイプの人はしんどい職場だろう。
一人職場がしんどいなと思っている人は、一度外に自分の悩みをアウトプットする何らかの手段を考えた方がいい。
僕には一人職場がとても向いているようだ。
いつまでこの職場にいることができるかわからないけれども、仕事はとても充実しているよ。
だから、みんなも恐れることなかれ。